お花の基礎知識

暮らしに役立つハーブを使ってナチュラルなアレンジメント作り

暮らしに役立つハーブを使ってナチュラルなアレンジメント作り

イギリススタイルフラワーアレンジメントには、グリーンをたくさん使います。
その中でも、香りが良い「ハーブ」を使うと身体と心が癒され、健やかな状態に導かれます。
他の花材にはないハーブ独特の香りや、素朴な姿を取り入れてナチュラルなアレンジメントを楽しんでみませんか?

ハーブとはどんな植物でしょう

「ハーブ」とは、ラテン語で「草」を意味する、「harba(ヘルベ)」の事です。
もともとは植物全体を意味していましたが、次第に有効性があり、大事だと思った草をハーブとして認識するようになりました。
ハーブの特徴は、穏やかに働きかけ、体のバランスを整えることできること。心身を本来の健やかな状態に導く、という伝統療法の考えに通じるものです。
広い意味で言えば、ハーブは私たちの暮らしに役立つ植物なのです。

人類とハーブの歴史はいつごろ始まったのでしょうか。


古代エジプトで紀元前3300年頃に粘土板に掘られた文字が発掘され、薬草として使われていた植物名が250種あることが判明しています。
医療用としてレモングラス、 シナモン・ミント・ショウブなどが使われていたそうです。
紀元前1世紀ころには女王クレオパトラが、 毎日薔薇の香水風呂に入り、ダマスクローズの香料を身につけていたとの事で、医薬品だけでなくハーブの香りも活用されてきました。

その後19世紀イギリスでは、ヴィクトリア朝時代(1837?1901年)に、世界各地から取り寄せられたハーブが国内で取引され、栽培が推奨されました。
現代のウェディングブーケのスタイルは、このころ誕生したとされます。
持ち運び用にデザインされた金属制の器に、ハーブを入れた小さなブーケを身に着ける、タジーマジーブーケもこの頃人気になりました。

アレンジメントに適しているハーブを紹介します

花を楽しむハーブ

 

花材名時期花色効能
ポリジ4月~10月星型の青い花気管支炎からくる咳に良いとされている
コモンセージ4月~10月薄紫精神バランスを整える。ホルモンのバランスを整える
ベルガモット6~9月赤、ピンク、紫などリラックス効果
チャイブ3~11月疲労回復、消化促進作用
ラベンダー5月中旬?6月抗菌効果や抗感染作用、安眠作用、神経バランス作用など
ヤロウ4?10月殺菌、解熱作用

香りを楽しむハーブ


花材名効能
ミント虫よけ、花粉症などアレルギー症状の緩和
ゼラニウム抗菌効果や抗感染作用、安眠作用、神経バランス作用など
アロマティカス海外では火傷など皮膚炎の炎症止めに効果が有ると言われている
ローズマリー記憶力や集中力を高める作用、血行促進、消化機能を高める
レモンバーム不眠や頭痛に効果
チャービル胃腸などの疾患に効果

枝もの


花材名効能
月桂樹リラックス効果
オリーブ抗菌効果や抗感染作用、安眠作用、神経バランス作用など
ヒノキリラックス効果
マートル心を安定させ、安眠を促進させる働き夏に白い花をつける
ユーカリ風邪やのどの痛み、気管支炎、喘息、鼻炎、関など。皮膚に刺激が起きることも有るので敏感肌の人は注意
ローズマリー記憶力や集中力を高める作用、血行促進、消化機能を高める

ハーブを使ったフラワーアレンジメントを作りましょう

ハーブのローズゼラニウムとラムズイヤーを使った、目にも香りもさわやかなイギリススタイルフラワーアレンジメント

イギリススタイルフラワーアレンジメントはグリーンをたっぷり使います。グリーンの中にはハーブも含まれます。
料理に使うだけでなうく、フラワーアレンジメントで使えるハーブの扱い方をご紹介いたします。

ハーブの扱い方は?

水あげの仕方

水が下がりやすいので生花と同じく、水切りをします。
「水切り」の方法は、茎の先を水に浸かった状態でカットします。水中で切ることで、水分をしっかり吸い上げるようになります。
しんなり萎れてしまった場合は、深水と言って花材を新聞紙でくるみ、茎を5~6センチほど出して水切りし、たっぷりの水につけ、1時間ほど置きます。

フローラルフォームにアレンジメントをする時は

枝ものでないハーブをフローラルフォームに挿す場合は、茎が柔らかいので、折れないように、根元を持って挿すようにします。

アレンジメントのポイントは?

ハーブのアレンジメントは、自然に生えているような風情でアレンジすることがポイントです。

ハーブは花が小ぶりなので、中心には他の花材を使用し、間に入れて行くとバランスがとれます。
ハーブを中心に入れて行く場合は、ナチュラルで控えめな花材と組み合わせると、全体がまとまります。
色鮮やかな花材は多用せずポイント程度にすると良いでしょう。
五感を楽しませるハーブアレンジは、飾る場所や目的によってテーマを決めて作りましょう。

おわりに

「ハーブ」は、庭やベランダでも育ちやすい植物で、挿し芽で増えるものもあり、カッティングガーデンとしても楽しむ事が出来ます。
身近に有りながら、様々な効能や、香りによる効果で、心身ともに気持ちよく暮らせる、暮らしに役立つ植物です。

今回紹介しましたハーブはほんの少しです。たくさんあるハーブをアレンジメント入れて、生活に取り入れて楽しんでくださいね。

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