コラム

食べられるお花 エディブルフラワーのご紹介

食べられるお花 エディブルフラワーのご紹介

近年耳にすることの増えたエディブルフラワー。
インスタグラムでも、クッキーやゼリーなどエディブルフラワーを使用した華やかなお菓子が投稿されていますね。
エディブルフラワーとは、食べられるお花のこと。
「どうやって花を食べるの?」という方も多いと思いますので、エディブルフラワーとはどういうものなのかをご紹介いたします。

食べられるお花 エディブルフラワーについて

エディブルフラワーって何?

Edible-食べられる、Flower-花
食用として特別に育てられ、販売されている花の総称です。
毒がなく、化学農薬やホルモン剤を基本的に使用しないで野菜と同じように育てられていること。
日本では食用ギク、桜の塩漬、菜の花など、普段からなじみ深い花々もエディブルフラワーに含まれます。
研究によると、古代ネイティブアメリカンは、砂漠に咲くサボテンなどの花や花粉を食べる習慣があったそうです。
古代ローマでは、バラ料理やスミレのワインなどが作られ、日本においては平安時代に中国や韓国から伝わった菊酒や紅梅の塩漬けが食べられていました。
花を食べるという事はずっと昔から続く食文化なのですね。

エディブルフラワーのちから

栄養については近年研究が進み、ビタミンCやAなどを豊富に含む花々もあることが解明されています。
エディブルフラワーの中には野菜よりも栄養を含んでいる花があります。
たとえばスナップドラゴン、プリムラなどはビタミンCがとても豊富です。
100gあたりを比べるとピーマンやほうれん草、イチゴやレモンよりも多くビタミンCを含んでいます。
また、カレンジュラ(キンセンカ)やナスタチウム、コスモス、パンジーなどはビタミンAが多く含まれており、カレンジュラにおいてはニンジンやパセリより豊富です。
その他にも、バラやカーネーションには整腸作用を促す食物繊維が多く、ナデシコには特に女性が必要とする鉄分が多く含まれています。
ビタミン類は健康や美容にもつながる栄養素です。美しい花を食べて栄養もとれるのは嬉しいですね。

エディブルフラワーの種類

100種類近くあるというエディブルフラワーの内、日本に流通していて、手軽に手に入りやすいものをご紹介します。

フレッシュで食べることのできるエディブルフラワー

サラダの彩、ジュース、お茶に浮かべるなど、生のままの状態で食べることのできる花です。

カーネーション ナデシコ科 / ナデシコ属
母の日のプレゼントとして、食べられるカーネーションが出回るようになりました。
くせのない味なのでとても使いやすい花で、心臓の働きを助け疲労回復に役立つそうです。

スナップドラゴン ゴマノハグサ科 / キンギョソウ属
別名金魚草。ビタミンCが豊富でほぼ一年中手に入ります。

バラ バラ科バラ属
花の中でもエディブルフラワーの代表格の一つであるバラは、歴史に名を刻む偉人との逸話も多く残されているようです。
中でも有名なのがクレオパトラで、バラを観賞用に飾るだけではなく、香油や香水を生活の必需品としていたそうです。
また、ローマ皇帝ネロ、マリーアントワネット、ナポレオン妃ジョセフィーヌも有名です。
ビタミンCが豊富。色によって味が異なります。

トレニア アゼトウガラシ科 / トレニア属
香りはほとんどなく、ほのかな苦味があります。
サラダに入れたり付け合せとしても適しているそうです。

ビオラ スミレ科 / スミレ属
パンジーを小さくしたような花で繊維質が豊富。
サラダに散らしたりケーキをデコレーションしたりシュガーコートにもおすすめです。

キク キク科 / キク属
お造りを買ったり注文すると、ほぼ菊の花が添えられて出てきますが、これはキクに殺菌効果があるからです。
花びらをむしって醤油に散らして、刺身と一緒に食べることが来ます。

ナデシコ ナデシコ科 / ナデシコ属
フローラルなクローブのような味がします。花びらの根元には苦味があるので、取り除くことをおすすめします。

ラン科
肉厚の花びらはサクサクとした食感で食べごたがあり、くせのない味だそうです。

ドライのエディブルフラワー

料理に使えるほか、ドライフラワーをブレンドしてオリジナルのお茶を作ったりすることができます。

  • ドライダマスクローズバット
  • ドライカレンジュラ(キンセンカ)
  • ドライラベンダー
  • ドライローズヒップ
  • ドライハイビスカス

食べられません!毒のある花

フラワーアレンジメントや園芸種として楽しまれている花にも、毒成分が含まれていることもあります。
以下、ご紹介する花には毒性成分が含まれているので、絶対に口にしないようにしてください。
種類によっては口にせずとも、植物の切り口から分泌される液により、お肌が弱い方はかぶれたり、荒れることがあるのでご注意ください。

  • アネモネ - 全草にプロトアネモニンという毒物質を含んでいます。口にすると胃腸が炎症を起こす外、断面の粘液に触れると皮膚炎・水泡を引き起こすことがあります。
  • キョウチクトウ - 全草にオレアンドリンなど様々な強心配糖体を含んでいます。素手でキョウチクトウの粘液に触れると皮膚炎・水泡を引き起こすことがあります。
  • クレマチス - 全草にプロトアネモニンという毒物質を含んでいます。素手でクレマチスの粘液に触れると皮膚炎・水泡を引き起こすことがあります。
  • クリスマスローズ - 全草、特に根茎にサポニン、ヘレブリン、プロトアネモニンなどを含んでいます。素手でクリスマスローズの粘液に触れると皮膚炎・水泡を引き起こすことがあります。
  • スズラン - 全草にコンバラトキシンなど様々な強心配糖体を含んでいます。スズランを活けた水を飲んでも中毒を起こすことがあります。
  • 水仙 - 全草、特に鱗茎に毒成分を含んでいます。ニラや浅葱と間違えて食べて中毒を起こす事件が多々発生しているので注意が必要です。
  • ヒヤシンス - 全草にリコリンという毒成分を含んでいます。素手でヒヤシンスの粘液に触れると皮膚炎・水泡を引き起こすことがあります。

おわりに

エディブルフラワーの魅力をお伝えしてきました。
100種類以上もの花が“食べられる”なんて、お花って奥深いものですね。
また、近年エディブルフラワーのスイーツ専門店も登場し、エディブルフラワーの人気はこれからも高まりそうです。
エディブルフラワーを使った料理やお菓子の本もたくさんあるので、興味のある方はご覧になってくださいね!

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