アレンジメントの基礎講座

【フラワーアレンジメントの基礎】香りのよい花をご紹介します

【フラワーアレンジメントの基礎】香りのよい花をご紹介します

香りのよい花は、四季を問わずどの季節にも存在します。今回のコラムでは、フラワーアレンジメントにもよく使われる香りのある切り花を4種類紹介しています。なおバラは、香りについて奥が深いので今回は除くことにいたしました。

花の香りとは

植物は自らが生き延びるために虫や動物を利用します。花が受粉する際に大切なのは、できるだけ遠くの花と受粉することです。 そこで花はいい香りで虫を呼び寄せ、蜜を与えることで、花粉を付着させ遠くまで運んでもらいます。(もちろん香りだけではなく花の色でも虫を呼び寄せます。)一方、完熟していい香りのする実は虫や動物の食料となります。種と一緒に食べてもらうことで、別の場所で種を排泄してもらい発芽させ、自分のテリトリーを拡大します。

ですので、植物は香りを使って虫や動物を引き寄せるため、花の香りは生きるための重要な武器と言えます。 

花が香る仕組み

花が香る仕組みは香気成分の生合成、代謝、気化が関わっています。生合成された香気成分は、花の中にあるだけでは「香り」とはいえず、花の外に気化することではじめて「香り」となるそうです。また花の中の香気成分は、気化できない不揮発型(配糖体など)に代謝される場合もあります。このように、花が香る仕組みには生化学的な要因に加え物理的な要因が存在するため、大変複雑なものだそうです。

4種類の香りのよい花をご紹介いたします

切り花の中でも特に香りのよい4種類の花、ユリ、スィートピー、フリージア、ストックをご紹介いたしましょう。

ユリ

科名:ユリ科

属名:ユリ属

別名:リリー

花期:5月-8月 

出回り時期:通年

ユリは花姿や草姿、開花期などがさまざまで、多くの園芸品種があります。日本には、ヤマユリやササユリ、テッポウユリなどが野山に自生しており、古くから愛されてきました。庭植え、鉢植え、切り花に加え、ゆり根を食用にするなど、さまざまな楽しみ方があります。

ユリの香りは多種多様な香気成分で構成されており、品種によって香気成分は異なるらしいのですが、香気成分の量が最も多いユリが「カサブランカ」だと言われます。

そしてユリの香りは花びらから香ります。光合成で作られた糖が花びらまで運ばれ、酵素反応を重ねて香りが生成されるのだそうです。そしてやはり、この香りは虫を呼んで花粉を運んでもらうためのものです。また、スカシユリなどの香りの少ない品種がありますが、それは香りを出して虫を呼ばなくても風が花粉を運んでくれるからと考えられています。

残念なことにこのユリのすばらしい香りは、飲食店や結婚式の披露宴の食卓などでは強すぎたり、来店する人たちの香りの嗜好が異なるため敬遠されているのだそうです。

スィートピー

花の香 スイートピー

科名:マメ科

属名:ラティルス属

別名:ジャコウレンリソウ

花期:4月-6月 

出回り時期:12月~3月

スイートピーとは甘い香りのお豆(Sweet Pea)という意味で名付けられました。花色が豊富で染色技術の向上によりグリーンやオレンジの色の花もあり人気があるそうです。

”ジャコウレンリソウ”という和名があり、名前のとおり代表的な芳香花です。日本の花屋さんでは切り花として、12月から3月にかけて出回ります。原種のスイートピーは、ヒヤシンスやスミレの香りに、ジャスミンなどにも見られる濃厚な匂いをともなう力強い芳香があります。その香りのベースは現在の出回っている品種にも受け継がれているそうです。

またスイートピーは、その香りの特徴や成分の配合バランスによって3タイプに分類されます。

(P)(市場流通時の表記)

バラ、ヒヤシンス様の香りに柑橘類やブドウに似たフルーティな特徴を持ち、強香。
主に原種系のスイートピー(品種はスイートスノー、スイートピンクのみ)に見られる香りです。

(F)(市場流通時の表記)

バラ、ブドウに似た甘くフルーティな香り。現在の園芸品種で出回っているなかでは、より原種に近い品種に見られる香りです。

(G)(市場流通時の表記)

バラ、柑橘類、フレッシュグリーンの爽やかな香りです。品種改良によって香りを持たなくなった近年の品種に見られ、多くの場合は微香です。

原種系のスィートピーの香りについて

原種系スイートピーには各芳香成分がバランス良く含まれており、全体を通して質の高い香りを持っていることが分かってきました。

スィートピーを飾るのに最適な場所

今ヨーロッパで、これらの香りにリラックス効果があるのではないかと考えられ、べッドルームなどに飾り、ルームフレグランスとして親しまれているそうです。

フリージア

香りのある花 フリージア

科名:アヤメ科

属名:フリージア属

別名:アサギズイセン

花期:3月-4月 

出回り時期:12月~3月

フリージアは南アフリカ原産で、原種は10種程度あり、イギリス、オランダで品種改良が進められました。12月下旬から3月下旬にかけてたくさんでまわります。

フリージアは香りの良い花として広く知られておりますが、香料採油のための栽培はされていないため天然香料としては存在していないそうです。(天然の香料だとフリージアの香りを再現する事が難しいためだそうです。)合成香料が普及しており、香水や石鹸、キャンドル、トイレタリー商品等幅広く使われています。

フリージアは香りの特徴や芳香成分によって異なる3タイプに分類されていますので、詳しくご紹介いたしましょう。

フルーティ

黄花のフリージアの代表的品種「アラジン」などに見られる、フルーティ な甘い香りが特徴。
代表品種:アラジン、ラインベルト、オレンジーナ、フィガロなど

スパイシ

「エレガンス」など白花の代表品種に見られるペッパー様(胡椒)のスパイシーな香りが特徴。 
代表品種:エレガンスなど

グリーン

香りは微香のためほとんど感じられないことが多いが、セロリのようなグリーン調の青臭い香りが特徴。
代表品種:ブルーシーなど

フリージアを飾るのに最適な場所

フリージアは暖房が直接当たらない20度以下の室内に置くと花保ちが良くなり、より長く花と香りを楽しむことができます。ご自宅では玄関、キッチンの窓辺、洗面所など比較的室温の低い場所に飾ってみてはいかがでしょうか。

ストック

香りのある花 ストック

科名:アブラナ科

属名:マッティオラ属

別名:アラセイトウ

花期:3月-5月 

出回り時期:6月~9月を除く通年

ストックは高さ20~80cmほどに育ち、ピンク、白、紫、黄など色の種類が豊富な多年草です。
ブロッコリーやカリフラワーと同じアブラナ科で、花を食用にできるエディブルフラワーとしても親しまれています。
一つの茎にたくさんの花をつける華やかな雰囲気や甘い香り、そして茎が固く扱いやすいことや花持ちの良さから切り花やアレンジメント用として人気があります。
一重咲きと八重咲きがあり、日本では豪華な八重咲きがとくに好まれています。

ストックの香りについて

ストックの花の香りはカーネーションの香りと良く似ており、パウダリーで、ほのかに甘くスパイシーな丁子(クローブ)の香りが特徴。ほとんどの香水(フレグランス)の調香に必要な香りの要素として、珍重されている香りです。

スタンダードタイプのストック「雪波」の分析結果から、ストックはスパイシーな香りを主体にフローラル調の甘い香りを併せ持つことが分かっているそうです。丁子(クローブ)やカーネーションに似たスパイシーでパウダリーな強い香りが特徴です。また品種による香りの違いは無く、スタンダードとスプレー、どちらのタイプも同様の香りを持っていることが明らかになっているそうです。

ストックは切花品種では、スプレータイプよりもスタンダードタイプの方が、香りが強く、また一般的な園芸品種では一重咲きよりも八重咲きの方が香りが強い傾向にあります。

おわりに

現在切り花として流通している花は、品種改良が進み、香りは弱くなっている傾向が強いですが、香りはその植物が生きるための手段だと分かると花の香りがより愛おしくなります。花を楽しむきっかけが花の香から始まるのも素敵ですね。

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